【3世代シングル】ライコウエア2022
2022年09月19日 17:19






ライコウ@ラムのみ
197-x-95-136-120-183
10まんボルト どくどく ほえる ねむる
エアームド@たべのこし
171-101-209-x-90-93 がんじょう
ドリルくちばし まきびし ほえる カウンター
カビゴン@カゴのみ
256-130-104-88-165-47 めんえき
のしかかり だいもんじ じばく ねむる
メタグロス@せんせいのツメ
183-182-151-103-111-115
コメットパンチ じしん かみなりパンチ だいばくはつ
ラグラージ@こだわりハチマキ
176-178-113-106-99-109
じしん いわなだれ のしかかり ハイドロポンプ
ゲンガー@オボンのみ
135-x-103-160-95-178
サイコキネシス れいとうパンチ おにび みちづれ
【概要】
スイクンライコウの乱数調整が現実的になって初めてのくどオフだったため、使いたい構築はいくつかあったが、今から10年ほど前から存在していたライコウエアという構築を現代寄りにして使うことを決めた。
ライコウエアとは、エアームドで物理を受けて、エアームドに繰り出される電気や水をライコウで受ける構築である。このゲームにおける物理ポケモンの筆頭はメタグロスであるが、雷パンチを持った型が数を減らして来ていると感じていたため、エアームドである程度受けは任せられると考えた。一方特殊火力の代表格はサンダーであるが、ライコウはそのサンダーに滅法強いポケモンであるため、ライコウ+エアームドはサンダー+メタグロスに対してかなり有利なサイクル戦ができる。また、エアームドの撒き菱はサイクル戦を進める上で重要な技であるが、浮いてるポケモンには通らないという弱点がある。ここで、このゲームにおける浮いているポケモンの代表格としてはサンダー、ゲンガー、ラティオス、ラティアスが挙げられる。対ラティは怪しいが、ライコウは対サンダーと対ゲンガーを同時に任せられるポケモンとしても重要性が高い。
ただし、ライコウは特殊耐久が極端に高いわけでもないので、対特殊全般を任せるにはやや心許ない。そこで対特殊を強化するためにカビゴンを採用。エアームド+カビゴンでもサイクルは十分回せるし、それ以外のポケモンとも並びを作りやすい。さらに型の自由度も高い。ライコウ+エアームド+カビゴンを基本選出と考えて、残りの枠を埋めていく。
基本選出の補完として、4体目にはメタグロスを採用。カビゴンとの組み合わせの強さは言わずもがなであり、ライコウとの並びも強力である。エアームドと鋼タイプが被っているが、カビゴン+エアームドとカビゴン+メタグロスで違った戦い方ができる。
5体目に採用したラグラージは、このゲームでは数少ない強い地面タイプのポケモンである。サンダースの電磁波展開やレジロック、プテラといった岩タイプを意識すると地面タイプの需要が増しているが、残念ながら地面タイプの選択肢が狭いゲームであり、その中では数値が高めなラグラージを採用した。エアームドを出せない場合の対メタグロスを任せることもできる。
6体目のポケモンは色々と迷走したが、結局は無難にゲンガーに落ち着いた。対ヘラクロスで5分以上のポケモンがエアームドしかいないのはさすがに問題だったので、もう一枚ヘラクロスに出せるポケモンとして採用した。
瞑想ラティアスを仮想的として強めに意識していたため、上を取れてかつ重めのヘラクロスの弱点を突けるスターミーや、起点構築を意識した龍舞ラティオスなども候補に挙げていたが、汎用性が低く結局ヘラクロスに繰り出すことはできないので、没となった。
全体の方針としては、エアームドを軸としたサイクル戦を大きな狙いとしつつ、カビゴン+メタグロスorゲンガーというスタンダードな戦い方もできる柔軟性を両立させた。こういうことをしようとすると大抵は中途半端に終わってしまうのだが、カビゴンというポケモンが強すぎるが故になんとか成立してしまう。
参考:
https://stoic4486.hatenablog.com/entry/20130203/1359893934
https://poe-cbf.hatenablog.com/entry/20170320/1490004022
https://shin-2418.hatenablog.jp/entry/20170829/p1
【個別解説】

ライコウ@ラムのみ
197-x-95-136-120-183
10まんボルト どくどく ほえる ねむる
・最速
・166-111オボンサンダーを10万で確定3発
・C194サンダーの10万をD-2で94.2%で2耐え
長らく空想上の生物とされていたが、ようやく現世に舞い降りた伝説のポケモン。
金属音サンダーの台頭によって対サンダーを安定して任せられるポケモンはかなり限られてしまったのだが、ライコウはかなり安心感を持って対サンダーをこなせるポケモンである。また、処理が面倒なゲンガーに対しても比較的安定する。
まず配分は、対サンダーを強く意識したものとした。これだけHに振ってようやく足りるあたり、サンダーの異常さが分かる。
技構成は10万が確定で、長期戦を狙う構築なので眠るも優先度が高い。そしてエアームドの撒き菱とのシナジーを意識して、コンボ対策にもなる吠えるも採用。ここまではすんなり決まり、4つ目の技はなんでもよかったのだが、古来からの教えに従って毒々を採用した。ミラーであるハピナス+エアームドといった構築に対し、天の恵みハピナスを毒々で崩すことができる。いばみがハピナスは自然回復で採用されるため効果は薄いが、後出しに対して毒を入れれば一方的に起点にされることは避けられる。また、身代わり残飯ラティアスに対しては身代わりをはがして対面できれば、毒で機能停止に追い込める。ただし、肝心のカビゴンに通らないため、別の技を採用する余地はある。

エアームド@たべのこし
171-101-209-x-91-93 がんじょう
ドリルくちばし まきびし ほえる カウンター
・B=11n
・準速45族+1
対物理の鬼。撒き菱という技の存在が、自身の戦い方と強く噛み合っている。
エアームドの型選択で重要なのは、HBで使うかHDで使うかの選択である。HDで採用すると不意の特殊技でもダメージを軽減でき、強引に撒き菱を使う動きがしやすい。それに対して今回採用したHBは、本来の役割である対物理に専念させた型である。今回の最も大きな採用理由は、対ヘラクロスである。スイクンライコウの解禁に伴ってヘラクロスが増加することが予想されたため、ヘラクロス入りに対しても基本選出を崩さず戦えるよう、HB振り+残飯での採用を決めた。HDだと鉢巻瓦割りをちょうど2耐えするくらいなので、2サイクル目から既に繰り出しが怪しくなってしまう。HBだと残飯回復が数回入れば鉢巻瓦割りを3耐えできるので、1サイクル目で安心して撒き菱から入ることできる。ゲンガーやサマヨ-ルと組んでいる場合は瓦割り選択にリスクを与えられるのでHD振りでも構わないが、瓦割りが一貫しやすい選出を想定している以上、HB+残飯は必須と判断した。
技構成は、撒き菱は当然の採用で、ヘラクロスをしっかり削れるドリルくちばしも必要。そして鈍いカビゴンを流したりメタグロスを強制的に退かせる吠えるも重要な技である。ラストの枠はのしかかり麻痺を治せる眠るも欲しいところだが、メタグロスとのタイマンで打ち負けないようカウンターを採用した。

カビゴン@カゴのみ
256-130-104-88-165-47 めんえき
のしかかり だいもんじ じばく ねむる
・C162サンダースの10万を4耐え
・A205メタグロスのコメットパンチをほぼ2耐え
安定のカビゴン。今回は受け寄りの構築であるため、硬めの配分で使用。
技はのしかかりと眠るは確定で、サブウエポンはメタグロスに最も大きな負荷をかけられる大文字とした。エアームドがいるので鋼に弱い技構成としてもよかったが、エアームドを選出できない場合も意識した。同系構築を崩す際にも重要。
4つ目の技は自爆とした。現代の対戦では、サンダー、ライコウ、スイクン、ラティといった、火力が高めの特殊ポケモンが数多く存在するので、それらのポケモンを確実にカビゴンで処理することが重要である。特にライコウやラティオスはカビゴンで仕留め損なうとそのまま全抜きされかねないので、強引に一対一交換できる自爆を採用した。また、相手のカビゴンの処理が怪しいので、これも強引に一対一交換する手段として自爆は重要である。従来はこの枠に地割れがよく採用されており、相手のカビゴンやサマヨ-ルなどを強引に処理するのに使われていたが、現代ではラティに通らないのが結構なマイナス。
持ち物の選択は、エアームド@カゴ+カビゴン@残飯も候補であったが、エアームドの項で述べたようにエアームド@残飯の優先度が高いため、カビゴンはカゴとした。

メタグロス@せんせいのツメ
183-182-151-103-111-115
コメットパンチ じしん かみなりパンチ だいばくはつ
安定のメタグロス。全体的に怪しい対ラティを任せられるポケモンでもある。
今回は起点にされにくい、雷パンチ+爪で採用した。吠えるが二枚入っているので起点構築には強めではあるが、別の対策カードとしての意味合いが強い。爆発によって起点回避をしやすく、爪を持つことで身代わり連打を確率的にではあるが崩すことができる。雷パンチはギャラドスやニョロボンの身代わりに対して強く、プテラの身代わりを確実に割れる技でもある。また、カビゴンの炎技同様、同系構築を崩す際にも重要。岩雪崩を切ったことでサンダーに無抵抗になってしまうが、裏のライコウがサンダーに強いのでカバーできる。

ラグラージ@こだわりハチマキ
176-178-113-106-99-109
じしん いわなだれ のしかかり ハイドロポンプ
・最速45族より早い
・187-151メタグロスを地震で一発
・A200サイドンの地震を38/39耐え
対岩、対メタグロス、対電磁波を任せられるポケモン。
ラグラージもいくつか型が考えられるポケモンだが、サイクルを回す構築に入れるということで、崩しを意識した鉢巻で採用した。
配分はほぼAS振りとしている。Aは特化付近まで上げないとメタグロスを一発で倒せない。Sもある程度上げておかないと、遅い地面タイプにうっかり先制されてしまう可能性がある。
後から考えると、HPが4nとなっており、がむしゃら持ちの可能性が低いことがわかってしまうため、避けた方がよかった。

ゲンガー@オボンのみ
135-x-103-160-95-178
サイコキネシス れいとうパンチ おにび みちづれ
・167-134ヘラクロスをサイコキネシスで2発
・166-111サンダーを冷凍パンチで2発
・A194ギャラドスのA+1めざ飛を38/39耐え
・A194ヘラクロスのメガホーンをオボン込で3発耐える確率が86.9%程度
困ったときのゲンガー。ヘラクロスに繰り出せる、ラティにも最悪同速を仕掛けられる、鬼火で最低限の仕事をしやすい、といった特長がある。
技構成は、ヘラクロスやゲンガー、バシャーモに打てるサイコキネシスと、サンダーやラティに打てる冷凍パンチとした。
眠るを持たせた型で採用することも考えられたが、ゲンガーの採用を決めたのが直前だったため、眠るに適した個体を所持しておらず普通の道連れ型とした。
【選出・立ち回り】
基本選出はライコウ+エアームド+カビゴン。ライコウエアで受け切るのが難しそうな相手にはカビゴン+メタグロスorゲンガーで普通に戦う。
立ち回りはまずエアームドの撒き菱を早めに使い、あとはひたすら受け出しを繰り返す。有利対面では吠えるを使うと、相手の裏が見えたり撒き菱を蓄積させられるので、サイクル戦を有利に進められる。
【対戦結果】
・くどやんさん 負け
バシャーモ カビゴン サンダー (ゲンガー ヘラクロス ラティオス)
ゲンガー ライコウ メタグロス
エアームドの刺さりがかなり悪いので、対ヘラクロス要員はゲンガーとした。あとは対サンダーゲンガーのライコウと、対カビゴンラティオスのメタグロス。いきなり受け回しでない選出となった。
蓋を開けると、地震シャドボカビゴンに全てを破壊されて負け。エアームドを出せないことが響いてしまった。ライコウエア選出でもよかったが、バシャーモとラティオスを同時に対応することが難しそうだったので、どのみち厳しい相手だったと言える。
・PKマスタさん 勝ち
サンダース メタグロス ラティオス (ヘラクロス ミロカロス レジアイス)
エアームド カビゴン メタグロス
サンダース+メタグロスorヘラクロスの形が見える。ライコウがあまり刺さっていないので、対ラティオスやレジアイスを厚くするためにカビゴン+メタグロスで選出。
試合はエアームドで撒き菱を撒いてサイクルを回していったが、サンダースのスターの実が発動してCが2段階上昇。それだけならよかったがラティオスにバトンタッチされ、メタグロスを削られ絶体絶命となる。が、先制の爪大爆発でひっくり返してそのままサイクル勝ち。ラティオスにバトンされた時点でカビゴンの自爆で処理しておくべきだった。
・ウホホウホさん 勝ち
ヘラクロス ライコウ スイクン (ソーナンス カビゴン ゲンガー)
ライコウ エアームド カビゴン
https://www.youtube.com/watch?v=Aph4fDFQD2c
ソーナンスが気になるが、基本選出。
ライコウエアでサイクルを回していたが、途中ヘラクロスの鉢巻気合パンチがエアームドに直撃して苦しい展開となる。こちらのライコウカビゴンで相手のライコウスイクンを捌き、先に相手のスイクンを消耗させて倒すも、依然相手のヘラクロスが重い状態となる。撒き菱も相まって少しずつヘラクロスを削っていき、終盤相手の釣り交換を読んだ攻撃が決まってそのまま勝ち。気合パンチで1手分余分にダメージを受けてしまったのが苦しかったが、なんとか巻き返せた。
・あーみんさん 勝ち※
ラティオス サンダー メタグロス ヘラクロス カビゴン サマヨ-ル
エアームド ラグラージ メタグロス
※レギュレーション違反により無効試合。
・あろさん 勝ち
サンダー メタグロス カビゴン (ゲンガー ラティオス ソーナンス)
カビゴン エアームド ライコウ
特に問題なく基本選出。
サンダーグロスに対してライコウエアでサイクルを回す展開。鈍いカビゴンも吠えるで流しながら撒き菱を蓄積させていたら、まずメタグロスが爆発でエアームドを大きく削ってくる。それでも耐えはしたので、対カビゴンを任せようとしたが、のしかかり麻痺から強引に突破されてしまいライコウカビゴンvsサンダーカビゴンのサイクルになる。吠えるを合わせてカビゴンを少しずつ消耗させ、先にサンダーから倒し、残ったカビゴンはカビゴンの自爆で処理して勝ち。
・ルクバト漣さん 勝ち
プテラ ヘラクロス メタグロス (ラティオス サンダー ハピナス)
ライコウ エアームド ラグラージ
隙を見せられないポケモンが多く、見せ合い時点で頭を抱える。ヘラクロスやメタグロスを意識したエアームドと対サンダーのライコウ、あとはいばみがが疑われるハピナスの電磁波に繰り出せるラグラージとした。
蓋を開けると、相手の3体はいずれもエアームドが刺さっている選出だった。撒き菱を使って吠えるで裏を確認しながらエアームドが行動し続け、ラグラージを切りつつもまずメタグロス、次にヘラクロスを処理。残ったプテラがエアームドに対して粘ってはきたが、HB残飯が活きてなんとか押し切り勝ち。カウンター採用も含めて、エアームドの型選択がしっかりハマった一戦だった。
・yasuさん 負け
スイクン カビゴン ヘラクロス (メタグロス サンダース ギャラドス)
カビゴン ライコウ エアームド
構築相談をし、レンタルもしたので、中身を全て知っている相手。が、知っているが故に選出時点からかなり苦しかった。
まず相手のカビゴンの処理が難しい。免疫なので毒が入らず、火炎放射があるのでエアームドで相手ができず、カウンターがあるのでメタグロスやラグラージで削ることもできず、ねむカゴなのでゲンガーの鬼火で削ることもできない。一番現実的な、カビゴンでの自爆処理を狙って、まずはカビゴンを選出。続いてスイクンも重い。カビゴンが起点にされることが分かっていたので、唯一流せるライコウも選出。あとはヘラクロス、メタグロス、ギャラドスに繰り出せるエアームド。
いざ試合が始まると、懸念点が全て的中し、決死の自爆もスイクンに透かされ、カビゴンに全てを破壊されて負け。この試合に関しては、眠るゲンガーを採用しておけばよかったと感じたが、どのみちスイクンにライコウを繰り出すところで負荷がかかるので厳しかったと思う。
・かりんとーさん 勝ち
カビゴン サンダー キノガッサ (メタグロス ライコウ レジロック)
ライコウ エアームド ラグラージ
https://www.youtube.com/watch?v=gG1mnuz6-j4
キノガッサだけ明らかに浮いているので、バトンサンダーでサポートする構築と予想。とすると、サンダーに強いライコウとキノガッサに強いエアームドがともに吠えるを持っているので、だいぶ有利と言える。ラスト1体はレジロックに出せてカビゴンにも負荷をかけられるラグラージとした。
XD対戦だったので初手のカビゴンのHPが分かったが、無振りであったのでシャドボ+地震orカウンターのフルアタ型と予想が付く。そのためエアームドでの受けが安定し、ライコウエアで余裕を持ってサイクルを回せた。途中でキノガッサ交代を合わせられたが、裏のラグラージを寝かせて、エアームドでキノガッサも処理してそのままサイクル勝ち。最後のサンダーはカムラ身代わりが予想され、影分身を持っている可能性もそれなりにあると思ったので、毒から入ったらその通りだった(そう考えると、ラグラージは切らずに残しておいてもよかった)。さすがに構築相性が良かった。
【反省・感想】
「ライコウエア」の部分だけ取り沙汰されがちだった構築を、現代の環境も意識しながら調整し、それなりに勝てるところまで持っていけたのでよかった。カビゴンやエアームドの型選択も活きてくれたのでよかった。
ライコウの毒々の部分だけ微妙だったが、めざパ、瞑想、電磁波など何を入れても微妙ではありそうだったので、ハピナスを牽制できる毒でもまあよかったのかもしれない。
全体的に相手のカビゴンの対策が怪しく、カビゴン以外から倒して最後に自爆で詰めるという戦い方でなんとかしてきたが、それ以外の処理ルートも持っておくべきだった。眠るゲンガーはやはりもっと検討すべきだったと思うが、そうするとカビゴン入りに対してエアームド+ゲンガーが基本選出となり幅が狭くなるので、それはそれで難しい。
久しぶりにカッチリした受け構築を使ったが、安定行動を繰り返せる安心感と、どうしても無理な相手は出てくる厳しさの両方を再認識することができた。相手が頑張って釣り交換を繰り返してくるのに対してこちらはただ受け出しだけしていればいいという盤面を作れたときが、この手の構築を使っていて一番楽しいシーンである。